1999年大阪大・理系後期の数列の問題
数列 に対して数列
を次のように定める。
[tex:a_mとする。さて、このとき、
を示し、 を計算せよ、というもの。実際の問題は(1)が
の一般項を求めよ、(2)が上の等式の証明、そして(3)が最後の数列の和の計算になっている。
昨日の授業で扱ったのだが、ちょっと難しかった様子。とはいえ黒板に の表を書いて見せて、具体例から考えてごらんとヒントを出したら、多くの学生はなんとか頑張っていた。(2)が難しいからなあと思っていたのだが、学生の多くは(3)を直接計算して、つまりシグマを二つとも具体的にnの式として求めて、等式の証明を行っていた。いや、出題者の意図はずたずただが(笑)、なるほど、別にこれでも良いわけだ。結局のところ、(3)は直接計算できる程度の和であって、(2)の誘導は一人よがりとも言える。それにしても、みんなできるようになってきたなあ、とちょっと感激(笑)。
さて、この問題、意外と面白い。事の本質は数列を棒グラフのようなもので表してみると良く分かる。つまり、関数として考えるのだ。(格子点で考えても同じ。実は授業では格子点の個数に翻訳して説明した。) そうすると、 は
の逆関数みたいなものであることが分かる。答えの
というのは、横が
で縦が
の長方形の面積ということになる。従って、この問題の数列に限らずに一般的に成り立つ内容なのだった。いや、面白かった。本質を見抜くまでに10分ぐらい考えたのだが、久しぶりに頭を使ったという感じだ。念のために教師用の解答を見たのだが、これがねえ、帰納法で証明してあるのだ。いや、別に悪くないのだが、つまらないねえ。上記の事は一言も触れてない。旺文社の解答も見たが、こっちも駄目。聖文社の方は、補足として部分和分(アーベル変形)による計算が載っていた。ああ、この解答者は分かっているな、と思う。上で図形的に述べたことを式でやろうとすると、アーベル変形になるのだ。これは自分で四苦八苦して考えたので良く分かる。
連続バージョンのアナロジーを考えると、ヤングの不等式で等号が成立する場合になるだろう。原点を通る単調増加関数の逆関数を
とする。このとき、
が成立する。これを計算で証明しようとすると(変数変換した後で)部分積分を用いる。ということで、完全なアナロジーになっている。