活字で説明は難しい?

昨日、ちょっとショックな出来事があった。普段教えている学生じゃない飛び込み(?)の質問だったのだが、一つは数学IIIの質問。こっちは別にいい。もう一つが数学Iの場合の数の質問だったのだが、学生が持ってきた問題集はワタシが執筆したもの(苦笑)。まさか著者に質問しているとはつゆ知らない学生(笑)。

しかし、いろいろと考えさせられました。この問題が分からないんです、と示された問題は確かにちょっと難しい。ワタシの解答は理論的にはスッキリしているのだが(要するに包除原理を使ったもの)、集合の設定やら準備が必要で、ちょっと敷居が高いかも。そんな事は原稿を書くときに分かっているはずなのであるが、どうしてもスッキリした自分好みの解答を書いてしまう。学生の顔を見ると、ああこれじゃあ無理かなと思って、その子に分かるだろうという解答を示すことができるのだが・・・。

結局、包除原理と本質的には同じなのだが、言わば小学生方式(互いに交わらない幾つかの部分に分割して、それらの個数を数えるというもの)で解答してあげたら、それはもうとても幸せそうな顔で帰っていった(^_^)。

うーむ、こっちの解答を載せておくべきだったか・・・。このレベルだと、包除原理だとかうるさいことを言わずに、とっとと数えた方が早かったりするんだよな、往々にして。

もう一つ気付いたことがある。対面で簡単な所から、これは分かる?これは?と確認しながら徐々に進めて行くと、ちゃんと分かるらしいのである。やはり活字では難しいことってあるのかなあ、と。

さらにもう一つ。どうやら長い説明文が読めないらしいのである。この種の問題の場合、計算よりも考え方の説明が主となる。どうしても文章が長くなる。それが駄目らしいのであった。こうなると不確定原理の世界だ。ある程度説明を詳しくしないと理解できない。しかし、詳しく説明しようとすると、今度は文章が読めない・・・(苦笑)。